全3回月刊連載シリーズ! 仲島正教先生特別寄稿(2月号)
2012年02月20日
 「出来るか出来ないか」ではなく「するかしないか」だ
                   


                教育サポーター(元小学校教師)  仲島正教
 

    今から8年前、私が47歳の時の話です。
  小学校の教師として現場で21年間勤め、その後は教育委員会で指導主事の仕事をしていた私は、その頃ぼんやりとこれからの人生のことを考えていました。このまま教育委員会に勤めていたら、数年後にはたぶん教頭か校長として学校現場に戻るだろう。そして今度は管理職として子どもの教育に携わることができる。先輩たちもそうしてきたし、それが自分のこれからの人生の道かな、と思っていました。でももう一方では、教育混迷の昨今だからこそ、「若い先生を応援するセミナー」を自分で開いて、「教師という仕事の魅力」を伝え「素敵な教師」をいっぱい育てたい、そんな夢も抱くようになりました。でもその夢のためには、退職することになり、収入をはじめ、すべて0からのスタートということになります。今さらそんな危ない橋は渡らない方がいい、そのままで校長になる方が絶対にいいという周りからの忠告もありました。客観的に考えてみれば、私もその忠告には納得せざるを得ませんでした。
  そんな時、3人の教え子と飲む機会に巡り合いました。私が20代の時に担任した教え子たちで、もう30歳を超えていました。そんな彼らに、私のあきらめかけていた夢を語ると彼らは言いました。
「仲島先生、それはいい話だよ。若い先生のためにやってあげてよ」
「先生、今さら何を躊躇しているのですか。経済的なことを心配しているの?」
「先生は出世を考えているの?それは仲島先生らしくないよ」
「簡単に言うな!」と私が反論すると
「仲島先生は、僕らに『夢を持て!失敗を恐れるな。チャレンジ精神だ!』っていつも言って
 いたじゃないか。子どもに偉そうに言った先生が、自分はチャレンジしないの?」
そんな教え子の言葉に、私は思わず
「わかった!チャレンジするよ!」
と言ってしまったのです。
 それから1年後、教え子に背中を押された私は48歳で早期退職し、若い先生のための「若手教師パワーアップセミナー『元気が一番』塾」を起ち上げました。あれから7年です。0からのスタートでしたが、今は生活も安定し、若い先生たちの成長に目を細めている日々です。チャレンジしてよかった、本当にそう思います。
先日、あの教え子たちと再び一緒に飲みました。その中で出た話です。
「やっぱり、人間は夢や目標を持つと、頑張る力が出てくるよな」
「『出来るか、出来ないか』って悩んでいるよりも『するか、しないか』だよな」
「そうや、そうや。大事なことは『するかしないか』だ」
そう言って、4人で乾杯をしたのです。