塾長挨拶
2013年09月03日

  
   豊かな水と自然にくるまれて生きる熊本県人である。
 その点では、県下共通であっても、県内を訪ね歩くと、魅力ある深い地域性に感銘を受ける。熊本県はいくつもの多様な国を擁しているようにさえ感じられる。
 また、熊本県は豊かな歴史に恵まれている。加藤清正に代表される尚武の精神が今に至るまで多くのアスリートを生み出してきた。防衛大学校長を務めていた私は、防大と自衛隊の精神とは熊本県のごまかしのない、たゆまぬ質実剛健の気風のことではないか、としばしば思ったものである。
 自衛隊の最高幹部には熊本出身者が多い。加藤清正は単なる武人ではなく、民をいつくしむが故に、白川、緑川、菊池川の治水をはじめ、国づくりに大いに力を注ぎ、人々の暮らしを支えた。
 同時に、熊本県の歴史は細川重賢(しげたか)に代表される力強い政治改革と、その中での文化教育重視の伝統に恵まれている。そこから生まれた藩校・時習館と医学校・再春館。やはり最後は人である。広い視野をもちつつ、人を愛し、郷土を愛し、この地のために働くことのできる人材こそすべてではないか。
 蒲島郁夫知事が、「時習館構想」を打ち出し、私立高校の振興に力を入れたことに、私は限りない共感と敬意を覚える。このたび思いがけないことに塾長を継ぐよう仰せつかって、重責に身のひきしまる思いである。
 なぜなら、この地の将来は、目を輝かせて成長する高校生にかかっているからである。一人ひとりが「小宇宙」として無限の可能性を宿す若者たちの大きな志と力強い歩みに期待したいと思う。
 がんばれ熊本の若者たち。未来は君たちのものだ。